パンプスやハイヒールの歩き方
装いのウォーキング
歩くことは装いのひとつです。「装い」とは女性でいうところの、肌のケアやメイクをして、髪型を整え、洋服や靴を選び、香水やアクセサリーを身にまとうなどの自己表現。
しかし、一歩外へ出て、出会う人や周囲の人があなたを見るときの第一印象は、洋服や顔よりも、実は姿勢です。そして、歩く姿です。あなたの姿勢と歩き方は「装い」の中の大きな割合をしめているのです。
僕は仕事柄、街中で人の歩く姿を観察していますが、その意識が非常に低い方が多いです。どんなに外見をつくりあげても、がに股で膝が曲がったまま歩く人はガサツに見えますし、背中を丸めて内股で小さな歩きをする人は暗い性格に見えてしまい、魅力が半減してしまいます。
「人間力が高い人・エレガントな人・オーラのある人」というのは「姿勢と歩き方で自己表現ができる人」だと思います。ですので、美しい歩き方を身につけると、周囲からも非常に良い存在感がある人として評価されます。
一方、姿勢や歩き方が悪いと、印象が悪くなるのはもちろん、周囲とのコミュニケーションなども、とても損をしてしまいます。
パンプス・ハイヒールの歩き方を解説
パンプス・ハイヒールのレッスン実践編
正しいヒールの歩き方
理想的には、身体全体のバネ(筋肉)を使いながら、さっそうとリズムよく歩くこと。
各関節を柔らかく使いながら、しなやかで伸びのある歩きをすることです。
そうすると、体型を決める筋肉が引き締まり、脂肪も効果的に燃焼されるのでダイエットにも有効なのです。また、大きな歩幅で、ヒザをしっかりと伸ばし、背骨を立てて姿勢よく歩くことは、健康面や美容面にもよい影響がありますので、ぜひ挑戦していただきたいのです!
まず、1本の線を足の親指と母指球のあたりでとらえて歩きます。つま先を進行方向に向け、母指球に一番踏み込みながら、足裏全体を使って身体を支えます。この安定した足の裏がないと、身体をどうしようと、歩きは不安定になります!
そして、つま先とヒールがほぼ同時に着地するようにし、その際に膝をキレイに伸ばします。後ろから来る脚は軽く膝の力を抜き、膝と膝(内腿)を閉じるように出していきます。
ヒールの高い靴でのポイントは、膝が曲がらないように、お腹や腰(厳密には腸腰筋)から足の指先までが「長い脚」と考え、しっかり前足に乗り込んでいきます。この長い脚は、実際に脚長効果があり、見た目も変わります。
この時、一般的に非常におろそかになるのが後ろ脚の力が抜けるのが早すぎることです。後ろ脚が身体を支え、前に押し出すのです。両脚がキレイに伸びる瞬間が欲しいのです!
膝に関しては、歩いている時に軽く擦り合わせるようにすることで、内転筋を意識し、中心バランスを崩さずに、キレイに足を前へ出せるようになります。
最後に、言葉としては、なるべく長く片足に乗っているような歩きを目指しましょう。歩くことは軸の移動です。ハッキリと右足の軸の時間、左足の軸の時間を分け、その繰り返しなのです。
もう一つ、腕の振り方も重要で、手首から指先を少し伸ばし後ろへ引くと、体型がより細く見え、背中のラインもきれいです。このような一連の動作が自然な歩き方になってくると、とてもエレガントな雰囲気が出てきます。
気を付けなくてはいけない失敗ヒールウォーキング2大例
1.膝を曲げたまま歩くことはやめましょう!
よく見かけるのが、膝が曲がりっぱなしの歩き方。膝が曲がったまま歩くと太ももが太くなり、せっかくヒールで脚が長く見えているのに、脚が短く見えてしまう歩き方です。また、ひざが曲がったままなので、リンパの流れが悪くなり、むくみやすい脚になります。さらに、当然ですが膝の痛みや腰痛の原因になりますので、着地の時に、しっかり伸ばすコツをレッスンしていきます。歩き方には十人十色の個性がありますが、個性と間違った歩き方というのは違います。長年のクセを直すのは大変ですが、死ぬまで関わる歩くことですから、正しい歩き方を覚えることは本当に大切です!
2.スニーカーのようにかかとから踏み出すことも危険!
パンプスやハイヒールのような、かかとが高い靴を履いているときは、かかとから着地すことで、つま先が着く時に膝が衝撃を受け痛めますし、ヒールを痛めてしまう原因にもなります。中には、グギッと足首をねん挫してしまうこともあるので、つま先とかかとをほぼ同時に着地させる歩きを身につけます。これも、若い時からいつも膝を曲げて歩いていた方は早めに直してあげたい習慣です。ひとつひとつレッスンをこなしていけば、膝を曲げずにキレイに脚を運ぶ歩き方は身体の使い方を直す問題なので、少ない期間でも直ります!
※一般的に日常生活でのパンプス・ハイヒールの歩き方と、ステージで歩くことやコンテストで自分を際立たせる歩き方は、レッスンプログラムから変えていきます。ハイヒールで歩くことの基礎としては同じですが、特に「腰や体幹から脚を出すようなウォーキング・腕をほぼ前に出さない振り方」はモデルウォーキング特有の動作になると考えています。
ハイヒールの選び方
欧米ブランドのハイヒールを
選ぶ際のサイズについて
◇欧米サイズは日本規格と比べてワイズ(幅)が細いため、日本規格品より若干大きめのサイズを選ぶ。
◇ヒールが高いものは履いた際に前滑りしやすいので、サイズをしっかり合わせること。
サイズ対応表 | |
US5 | 20.5cm ~ 21.0cm |
US6 | 21.5cm ~ 22.0cm |
US7 | 22.5cm ~ 23.0cm |
US8 | 23.5cm ~ 24.0cm |
US9 | 24.5cm ~ 25.0cm |
US10 | 25.5cm ~ 26.0cm |
US11 | 26.5cm ~ 27.0cm |
US12 | 27.5cm ~ 28.0cm |
普段サイズ | 足幅別推奨サイズ | ||
細目 | 普通 | 広め | |
22.5~23cm | US5~6 | US6 | US6~7 |
23.5~24cm | US7~8 | US8 | US8~9 |
24.5~25cm | US8~9 | US9 | US9~10 |
25.5~26cm | US9~10 | US10 | US10~11 |
26.5~27cm | US10~11 | US11 | US11~12 |
27.5~28cm | US11~12 | US12 | US12~13 |
◎サイズ・ワイズの測り方
1.足長を測ります。かかとを壁等に当て一番長い指先までを測定。普段履いている靴のサイズとは異なる。
2.足囲を測ります。親指と小指のつけ根(一番出っ張っている骨のところ)の一周を測定。
ワイズ対応表 | |||||||
ワイズ→ | A | B | C | D | E | EE | EEE |
細い | 細め | 普通 | 広め | ||||
➀足長 | ➁足囲(cm) | ||||||
20.5cm | 18.9 | 19.5 | 20.1 | 20.7 | 21.3 | 21.9 | 22.5 |
21.0cm | 19.2 | 19.8 | 20.4 | 21.0 | 21.6 | 22.2 | 22.8 |
21.5cm | 19.5 | 20.1 | 20.7 | 21.3 | 21.9 | 22.5 | 23.1 |
22.0cm | 19.8 | 20.4 | 21.0 | 21.6 | 22.2 | 22.8 | 23.4 |
22.5cm | 20.1 | 20.7 | 21.3 | 21.9 | 22.5 | 23.1 | 23.7 |
23.0cm | 20.4 | 21.0 | 21.6 | 22.2 | 22.8 | 23.4 | 24.0 |
23.5cm |
20.7 |
21.3 | 21.9 | 22.5 | 23.1 | 23.7 | 24.3 |
24.0cm | 21.0 | 21.9 | 22.5 | 23.1 | 23.7 | 24.3 | 24.9 |
25.5cm | 21.9 | 22.5 | 23.1 | 23.7 | 24.3 | 24.9 | 25.5 |
26.0cm | 22.2 | 22.8 | 23.1 | 23.7 | 24.3 | 24.9 | 25.5 |
26.5cm | 22.5 | 23.1 | 23.7 | 24.3 | 24.9 | 25.5 | 26.1 |
27.0cm | 22.8 | 23.4 | 24.0 | 24.6 | 25.2 | 25.8 | 26.4 |
【例】足長:約23.0cm 足囲:約22.0cm の場合 → ワイズはCもしくはD