運動で消費するエネルギーについて


運動で消費するエネルギー源が糖質なのか脂肪なのかを見分ける必要性

 

無酸素運動

酸素を使わずに行い、有酸素運動にくらべて激しい運動。短距離走やウエイト(重量)トレーニング。

 

有酸素運動

有酸素運動は呼吸しながら長時間できる運動のことで、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などがあります。呼吸から入る酸素を使って、体内の糖質や脂肪を燃焼しエネルギーを生み出すので、皮下脂肪や内臓脂肪が減っていきます。また、コレステロール値の改善や、血糖値、血圧の正常化など、生活習慣病予防の効果が期待できます。

 

※無酸素運動と有酸素運動との大きな違いは「酸素を使わない」ということと「脂肪を燃焼させない」ということ。つまり有酸素運動をしなければ脂肪を燃焼させることはできません。しかも、有酸素運動のエネルギー源にも糖質と脂質があります。運動のやり方によっては脂肪よりも糖質が多く使われてしまいます。

 

有酸素運動・無酸素運動

 

より効果的に脂肪を燃焼させる有酸素運動を行う

 

有酸素運動を行うと、最初の5~10分は主に糖質や血中の脂肪がエネルギーとして燃焼されます。これでは体内に貯蓄された内臓脂肪・皮下脂肪が燃焼されません。運動を続けていくと、糖質や血液中の脂肪分をある程度使い終わり、次に内臓脂肪・皮下脂肪が燃焼されはじめます。

 

また、脂肪分解酵素リパーゼは体温が0.5℃~1℃上昇すると活発に働き出す性質があるので、運動開始からしばらくたって体温が適度に上がった状態は、一番リパーゼが活性化して体脂肪を効率的に燃焼してくれます。

 

さらに、有酸素運動では運動しているときに脈拍を測ることによって、自分が糖質を使っているのか、脂肪を燃焼させているのかがわかります。運動強度が上がるほど糖質の利用割合が大きくなります。最も効率的に脂肪を燃焼させたいのなら最大心拍数の60〜70%の間をキープするのがオススメです。

 

最大心拍数の70%以上の心拍数になると、無酸素運動による糖質燃焼の割合が増えてしまいます。もし運動の途中で息切れしてしまう時は既に有酸素運動の領域を超えている可能性があります。

 

自分の脈拍を確認し、運動のペースを下げる必要があるのです。それにはまず基準となる自分の最大心拍数を知る必要があります。これは年齢で大体決まってくるので、日常的に運動する人も運動不足の人も同じ年齢なら変わらない数値になります。

 

心拍数ウォーキング

 

最大心拍数を知るための簡易的な計算式は複数あるので紹介

 

(あくまでも目安であり正確な最大心拍数を知るには専門の検査をします)

 

Ⅰ 220 - 自分の年齢 = 最大心拍数

 

Ⅱ 206.9 -(0.67 × 年齢)= 最大心拍数

 

どちらもおよその最大心拍数を計算するもので、数値もほぼ一緒になります。

 

例えば自分が30歳だった場合

 

Ⅰ 220-30=190で最大心拍数は「190」となる

 

Ⅱ 206.9-(0.67×30)=186.8で最大心拍数は「186.8」となる

 

自分の最大心拍数がわかったら、それを元に自分の運動量や負荷を管理します。

 

 

脈拍を基準にした運動の方法

 

①10分ほど最大心拍数の約半分の数値になるようにウォーミングアップをする。

 

②20~45分、最大心拍数の60~70%の範囲になるように運動する。

 

③クールダウンのための軽い運動を10分ほど。

 

 

例えば自分が30歳だった場合(最大心拍数190とすると)

 

①心拍数90程度になるようにウォーミングアップ

 

②心拍数114~133の範囲の運動を20分~45分

 

③軽い運動で心拍数を落としていく

 

※手首の動脈か、首の頸動脈で測るとわかりやすいです。10秒間で何拍か数えて6倍するのが簡単な目安です。

 

ウォーキング

 

有酸素運動の頻度について

 

体脂肪を効果的に減らすためには20分以上の運動を週に3回以上継続することが望ましいです。しかし、まとまった時間がとれない場合は1日に10分×3回などのパターンで、1日トータル30分以上の運動でも効果はあります。

 

※最近では「有酸素運動を20分以上」というのは間違いだという意見があります。間違っているのは「有酸素運動を20分以上やらないと脂肪燃焼は全く開始しない」という理論のみであり、効率的に燃やすという観点から見るとやはり20分以上の継続が理想とされます。

 

 

なぜ週に3回以上継続することが望ましいか

 

スポーツ生理学的にいえば、人体が外部の刺激(身体的活動)から影響を受けると、それが保たれる時間は約2日(48時間)程度という論述があります。したがって、週3回以上の運動をすることで健康効果を高めることができるのです。

 

また、ウォーキングのような有酸素運動を続けている人は、血中のHDLコレステロール値(動脈硬化の予防に役立つ善玉コレステロール)が高く、中性脂肪レベルが低くなります。しかし、有酸素運動はインスリンの働きも改善し、糖尿病や高脂血症、高血圧などのリスクを下げるのですが、運動後1週間もすると、やらない人と同じになっていきます。

 

メタボリック症候群の患者は、内臓脂肪から分泌される物質がインスリンの働きを妨げる「インスリン抵抗性」という状態になっています。ですので、週1回トレーニングジムやダンスの教室に通っているとか、週1回ゴルフをやっているから、「自分は運動不足ではない」と思ってはいけないのです。

 

筋肉を使って運動すると、たくさんのブドウ糖が体内に取り込まれてインシュリンの作用が高まりますが、その効果は3日、60時間ぐらいで消えるという実験結果があります。運動療法は3日おき、もしくは週3日以上は実施することが望ましいのです。

 

メタボリックシンドローム予防のためには食事制限だけで痩せてもインシュリンの働きは改善されない為、内臓脂肪を減らさないといけませんから、運動と食事の両方に注意することが大切になります。

 

まずは「2~3日に1回ウォーキング」くらいから始めてみてはいかがでしょう?

 

 

なぜ10分×3回の1日トータル30分以上の運動でも効果はあるのか

 

10分間のウォーキングでは脂肪酸の燃焼が少ないように思われがちですが、運動を終えてからも30分間は筋肉内のリパーゼが働いており、脂肪酸が分解され、その脂肪酸の燃焼が続いています。

 

そのため、1日に1回30分間の運動をするよりも、10分間ずつ3回に分けて運動をしたほうが運動後の脂肪減少の機会が3倍になり、むしろ脂肪の燃焼量を増やすことができるようになります。

 

リパーゼを活性化させるには筋肉が温まりやすい有酸素運動が効果的です。同じ10分間の有酸素運動でも、下半身の筋肉を使う早足でのウォーキングは、筋肉の温度が高まりやすく、筋肉に送られる酸素も増えるので、分解された脂肪の燃焼もよくなります。

 

筋肉を温めてリパーゼの働きを盛んにすることが目的なので、筋肉が温まるなら10分以下でも問題はありません。10分を目安にしているのは、運動を始めて10分ほどで燃焼するエネルギーがブドウ糖メインから脂肪メインに変わるからで、その状態だとリパーゼによる分解に燃焼が加わるからです。しかし、できれば10分以上の運動を目指したいものです。