正しい姿勢と歩き方


何の運動にもスポーツにも、動作に入る前に構えがあります。野球やゴルフのスイングをする前の構え、武道で試合前の構えなど。それでは、人間の歩くという動作の構えはなんでしょう?

 

「正しい立ち姿勢」こそ歩くための構えとなります。この正しい立ち姿勢ができているからこそ、正しくきれいな歩きへと繋がっていくのです。身体が丸まったり、左右に歪んでいたり、重心のバランスがきちんととれていない立ち方では、まっすぐにブレのない歩きをすることはできません。

 

また、歩くときの心構えも非常に重要です。移動手段として慌ただしく大変そうに歩いている人の顔は、何かを気にし、心配しているように見えますが、身体の健康のために楽しく歩いている人の顔は、表情も明るく見えます。人間は、歩くことで身体も脳も心も整えることができます。人間の本質は、歩行の中にあるのです。

 

ウォーキングと骨格と筋肉
O脚の直し方ウォーキング
足首を使うウォーキング
大腰筋と歩幅

 

ボーンコンシャスといいますが、姿勢を整えるというのは、ただ背中を伸ばすことではありません。体の内側(骨格)から整えると、真の意味で姿勢が整うのです。

 

そして、歩くとは全身運動なのですが、これもただ腕を元気よく振って大きく歩くのとは違います。肩関節周辺が柔らかいことで、しなやかな腕の振りになり、後ろへもしっかり引ける腕になります。

 

また、僕らは「長い脚」という言い方をしますが、皆さんの身体は腸腰筋を中心に、体幹(お腹・腰)から脚にかけてインナーマッスルがつながっています。腰骨から脚と考え、しなやかな股関節がそれを繋ぎ、足首や足の裏、果ては足の指先までを含めて「脚」なのです。

 

この体幹ウォーキングができるようになると、脂肪が燃焼し、女性特有のしなやかでエレガントな歩きとなり、歩幅ももちろん自然と広くなり、体への負担が大きく減る歩きとなります。何も考えずにトボトボ歩いている歩き方と比べて、3倍の運動・健康・ダイエット効果が見込める歩きです。

 

昔から健康の基準は1日1万歩くといいますが、それはただやみくもに歩いている人の話。僕らは3000歩~4000歩という日常生活で歩く歩数で健康は作れる歩き方を教えています。

 


正しい姿勢と歩き方の解説

 

正しい姿勢と歩き方のレッスン実践

 



正しい歩き方チェックポイント


1:ひざを曲げたまま歩いていませんか?

 

A:それは太ももの前部を使って歩いているからです。そして、腰も曲がっています。歩くときに太ももの前にある「大腿四頭筋」を使うと、スクワットをしているのと同じことで、脚が鍛えられ、太くなってしまいます。また、ひざが曲がりっぱなしということで、リンパの流れが悪くなり、むくみがとれにくくなってしまうのです。

歩くときは膝を伸ばして地面に着地し、しっかり足の裏の重心移動を行い、後ろ脚は柔らかく膝を曲げ引き寄せる。膝が伸びる時間と曲がる時間がスムーズに交互に行われることで、脚の筋肉が血流やリンパの流れを良くするポンプになり、また、脚全体が偏ることなく使われるので、きれいで真っすぐな脚になっていくのです。

 

 

2:歩くとき身体が左右に揺れていませんか?

 

A:人間の股関節は、脚が前後に大きく開くことができる形になっています。身体が左右に揺れるということは、真っすぐ前に進みたいのに脚が左へ右へと出ているということ。そういう歩き方をつづけていると膝関節・股関節が少しずつダメージを受けます。特に内股、外股で歩いている人は要注意!

将来、変形性膝関節症にまっしぐらです。膝関節にある軟骨が削れてくるので、これは一度削れてしまうと復元できません。できる限り早く、しっかり身体の中心を作り、脚は前後の縦方向にスッスッと軽快に出して、身体を安定させましょう。曲がってしまった脚や、杖の必要な生活にならないように。

 

 

3:ひじを身体のラインより前に出して歩いていませんか?

 

A:それは二の腕の前部だけを使って歩いているからです。上腕を身体のお腹より前に出して歩いていると、身体が自然と前かがみになり、猫背・巻き肩・肩こり・頭痛を引き起こします。この辺りも、ただ歩けばいいというものではなく、歩き方が悪いと身体の歪みがひどくなるという理由のひとつです。

腕を後ろに引けるようになると、前後バランスもよくなり、二の腕のプニプニがすっきりしたり、肩甲骨周りも動き褐色脂肪細胞が活性化され、背中や腕の後ろ側を刺激することが出来ます。姿勢も改善されます。